「時間と自由」

ベルクソン
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熱と重さの感覚


熱と重さの感覚
ブリックス(Blix)、ゴールドシャイダー(Goldscheider)、ドナルドソン(Donaldson)各氏の最近の実験によれば、冷たさと熱さとを感ずるのは身体表面の同一点ではないことが証明された。したがって今後、生理学は、温感と冷感とのあいだに、もはや程度の区別ではなく、性質の区別をつける傾向をもつのだ。しかし心理学的観察はさらに前進する。なぜなら注意深い意識には、さまざまな熱さの感覚相互のあいだにも、冷たさの感覚相互のあいだにも、等しく種別的差異があることを容易に見いだせるだろうからである。いっそう強い熱さとは、実は別の熱さなのだ。
これは古事記でもぜったいあるな。古代人の感覚神経をみてみたい。古事記の神の御名は、漢字でも能力が表されている。
- 意識の諸状態、感覚、感情、情念、努力などは、増減しうるものであると一般に認められている。ある感覚は同じ性質の他の感覚よりも、二倍、三倍、四倍強いと言いうると断言する人々さえいる。- でもこれは厳密にはどれも違うようで、純粋に内的な諸状態のあいだに量の差を設けることはできないらしい。感覚はデジタルではなく、より強い感覚には、より強いと感じる感覚神経の種類がある。より低い音には、より低い音を感じる個別的な神経がある。(物質的対象のあいだと同じ明確な区別、同じ不連続を設定するように要請するわれわれの認識には、持続と延長、継起と同時性、質と量の混同があらかじめ含まれる。)