チャクラの発達と覚醒

リードビーター著:『チャクラ』より要約



アストラル的感覚

 アストラル的視覚(霊視)とかアストラル的聴覚(霊聴)といった表現は、人間が彼のアストラル的身体においてはたらいているときに、彼の意識に伝えられてくる波動に対して反応する能力を意味している。けれども、物理的次元とは全くちがったアストラル的次元の条件の下では特別な器官は何も必要としない。アストラル的身体の各部分にはそういう反応のできる物質が存在しているので、この次元の身体においてはたらいている人間は、何も頭をめぐらせたりはしなくても、彼の背後、上方、下方などにある対象を、同じように自由に見ることができるのである。(以下略
 アストラル的身体を構成するすべての粒子は、沸騰している湯の場合と同じように、たえず流動し、渦を巻いている。それらの粒子のすべてが各チャクラ、つまり渦を通過するので、各チャクラはそのたびごとにこの身体の全粒子にある種の波動に対する感知力をひき起こし、すべてのアストラル的感覚が身体のあらゆる部分で同じように活動するようになる。けれども、これらのアストラル的感覚が全面的に目覚めているときでさえ、人は、それらの活動についての意識を、彼の生理的身体にまでもたらすことは決してないであろう。



クンダリニーの覚醒

 以上にのべたアストラル的次元の覚醒がすべて行われていても、生理的な意識の中にいる人間はこのことを何も知らない。現実の肉体が、この覚醒による恩恵をわがものとすることのできる唯一の方法は、エーテル的体中枢の覚醒の過程をくり返すことである。これにはさまざまのやり方があって、修行者の学ぶヨーガの流派はそれによっていろいろ分かれている。
 インドのヨーガは、七つの流派に分かれている。(1)ラージャ・ヨーガ、(2)カルマ・ヨーガ、(3)ジュニャーナ・ヨーガ、(4)ハタ・ヨーガ、(5)ラヤ・ヨーガ、(6)バクティ・ヨーガ、(7)マントラ・ヨーガの七つである。彼らはすべてチャクラの存在とその重要性を認識しており、流派ごとに独特なチャクラの開発方法をもっている。ラージャ・ヨーガでは各チャクラに対して殉じに瞑想し、純然たる意志の力でそれらを活動させる。これは大いに推賞するに足るやり方である。チャクラに最も注意を払っているのはラヤ・ヨーガの流派で、そのやり方は、蛇の火の高い潜在力を目覚めさせ、それを一つずつチャクラを通過させてゆくものである。
 チャクラを目覚めさせるには、確固たる意志と辛抱強い努力とが必要である。最初のチャクラを十分に活動させるということは、正に、蛇の火の内なる諸層を目覚めさせることに他ならない。一たびこれが目覚めると、そのおそるべき力によって他のチャクラも活発になるのである。エーテル的次元の各チャクラが活動すると、それらに対応するアストラル的次元のチャクラが発達し、それによってよび覚まされた諸力は肉体の意識にまでもたらされる。