アルコールと薬物の作用

リードビーター著:『チャクラ』より


 この網状組織をもっとゆっくり傷つけるやり方には、次の二つが区別される。一つは、アルコールや麻薬等の使用である。今一つは、――心霊学的な言い方をすれば――霊性発達のための打坐といった手段によって、自然が閉ざした扉を徐々に開いてゆくする努力をすることである。ある種の薬物や飲料――特にアルコール及び麻薬、それにタバコ――は、分解すると揮発する物質が含まれており、その一部は物質的次元からアストラル次元へと至る。(茶やコーヒーもこの物質を含んではいるが、その量は非常にわずかであるから、その効果が現れるのはふつう、長い間大量に用いた後のことである)。
 人体の中にこの種の物質が入ると、それはチャクラに本来そなわった流れの方向とは逆の方向に向かってチャクラを通ってゆくため、これがくり返されると、デリケートな網状組織をひどく傷め、ついには破壊してしまうのである。この悪化や破壊は、二つのちがった形で起こる。それはその人間のタイプと、彼のエーテル的及びアストラル的身体の構成要素の比率によって異なる。まず第一の形は、揮発した物質の流れが網状組織を焼いてしまい、チャクラの口が開いたままになって、不規則な力とか有害な作用が入ってくるのを防げなくなることである。
 第二の形は、この揮発性の物質が流れてゆく過程で原子を硬くし、そのため原子の脈動が非常に抑制され阻害されて、原子を網状組織に接着させる特殊な力が活発にはたらかなくなるのである。この場合は、網状組織の一種の硬直化ともいうべきものであり、その結果、諸存在領域の間の交流は活発ではなくなり、異次元の力は作用しなくなるのである。
右にのべた二つの形の悪化現象は、いずれもアルコール中毒におちいった人間の場合に見ることができる。第一の形におちいった場合は、震顫譫妄(四肢の震えを伴う妄想状態)、憑依状態、あるいは精神異常などになるが、こういう例はどちらかといえば少ない。ふつうよく見かけるのは第二の形の悪化であって、この場合には、人間的資質が一般的に低下し、俗悪な物質欲・残忍さ・野獣性におちいり、繊細な感情や自己抑制の力が失われてしまう。このような人は何らの責任観念もなくなる。素面のときには妻子を愛しているかもしれないが、酒を飲みたいという衝動が襲ってくると、愛情も責任感もたちまち消えてしまって、家計にあてるべきお金まで獣じみた欲望を満足させるために消費するのである。